モノオモイな日々 Lost in Thought

過去の覚書、現在の思い、未来への手がかり

2021-01-01から1年間の記事一覧

上に立つ者には徳がなければいけない:論語と算盤

honto.jp 聴いて思うのは、人の考えることも人の問題も、百年前も今も同じだな、ということ。つまり、今でも示唆に飛んだ本。官でも民でも、上に立つ者には徳がなければいけない、とますます思う。明治の時代は、たとえば実況界のトップに渋沢のような人がい…

メタバースという平等

「メタバース」のようなバーチャルワールドの意味があるとすれば、それは、外見や肩書きや属性に惑わされずに生きていくことができる世界ができる、ということかもしれない。 外見や肩書きや属性を自由に選択できる世界では、そういうものの魅力や意味がなく…

「映画『ジョーカー』の地上波放送禁止」に感じたこと

映画「ジョーカー」の地上波放送禁止する、というニュースを見た時、直感的に、それはおかしくないか、と思った。しかし、その時は、うまく言葉にできなかった。今もできない。でも、この違和感を忘れてしまわないよう、何か書いておきたいと思う。 その違和…

スタートアップの目的は資金調達じゃないでしょ

https://blog.btrax.com/jp/fund-raising/ 以前、どうすればスタートアップが育つか、という主旨の会議で、「巷ではよく《〇〇社が○億円資金調達に成功!》みたいな記事があるけど、なんの意味もない。自分らで必要な資金を準備できないから、よく知らない人…

日本は50年前の方が進んだ国だった

syowa-kayo.net 1970年の大坂万博は、万博史上もっとも多くの新興独立諸国を受け入れた万博だった。非西洋で初めての万博だったからこそ、フラットな世界を実現できた。 そんなことを以前、万博学の先生から聞いた。 1960年代に一世を風靡した漫画・アニメ、…

企業中心主義から脱却せよ

これまでの日本の政治(つまりは自民党の政治)は、要するに「企業中心主義」であり、「企業社会主義」だと思う。たくさんの補助金、助成金を企業にばら撒き、企業もそれをあてにして経営している。 しかし、たとえば、新商品の開発を支援する補助金・助成金…

面白いと思うことを我慢するのは罪

digital.asahi.com 「好奇心に基づく研究こそが重要」。これは深刻で根本的な指摘だと思う。 研究に限らず他の分野でも、「好奇心」がどんどんなくなっているように感じる。その原因は、「管理主義」や「計画主義」なる、中途半端に頭がいい(悪い)人たちが…

多くの人が自殺を考えたことのある社会に未来があるのか?

digital.asahi.com 毎朝、徒歩通勤をしていると、途中でたくさんの高校生とすれ違う。みんな活気がある、とは言わないが、明らかに元気がなく落ち込んでいる、と感じる生徒はほとんどいない。しかし、その3割か4割は、「本気で死にたいと考えたことがある…

「当確」はいらない

選挙で「当確」報道ってありますよね。あれ、やめたほうが良くないですか。 どのメディアがいち早く当確を出すかを競ったりするらしいけど、なんの意味もない。 それどころか、害悪。 選挙区によっては開票が始まった瞬間に当確がでる。あるいは、現時点の開…

市民と公民

www.jstage.jst.go.jpSNSで、苅部直さんの「『市民』とは誰か」という小論を知り、読んでみた(J-StageのサイトからPDFを無料でダウンロードできる)。「市民」も「公民」も、単なる「住民」ではなく、積極的に政治活動を行う人々を指す。「公民」という言葉…

アスヘノキボウ

好きで文句や愚痴をいいたい人なんて、誰もいない。ただ、明日への希望が感じられないから、つい文句や愚痴がでてしまう。何かに憎しみを向けてしまうんだ。 もし明日への希望があれば、誰もが他の人を助けたい、協力したいと思えるようになるんじゃないだろ…

星野道夫の文章

今日しか行けないかも、と思って、行ってきました。星野道夫さんの写真展。 写真が素晴らしいのはもちろんですが、星野さんの文章に、とても心打たれました。 アラスカの自然と周りの出来事の描写、その中で生まれる自身の想いが、静かで力強い言葉で綴られ…

森見登美彦ワールドにはまる(朗読で)

www.audible.co.jp 森見登美彦。彼の高い評判、とりわけ芸術系諸氏からの絶賛が気になりつつも、その独特の雰囲気に近寄りがたく、でも近寄ってみたく、勇気を出してAmazonプライムでアニメを観てみたものの、表現のあまりの濃密さに早々と退散。彼とは縁が…

「天引き」やめれば、個人は自立できる

woman.nikkei.com 出口治明さんのおっしゃるとおりだと思いますが、もっと言いいたい。所得税や社会保険を、勤め先が肩代わりする、すなわち「天引き」するしくみを廃止すべきです。 曲がりなりにも経営者をやってみたわかったのは、「天引き」制度は、授業…

テクノロジーと一体となった未来のスポーツ〜パラリンピック2020を観て

正直なところ、僕はパラリンピックというイベント自体に賛成ではなかった。それは、コロナ禍とは関係なく、オリンピックとパラリンピックを分けることに違和感があったのだ。オリンピックとパラリンピックは一緒になるべきだ、と本気で思っていたし、そうい…

「外野の口出し」が世の中をつまらなくする

昨夜のパラリンピックの開会式、その時間は他に色々やることがあって、細切れの「ながら見」だったのですが、自然と引き込まれる、素晴らしいショーでした。何より、ひとつの統一された世界感に貫かれていることがよかった。その背後には、この記事にあるよ…

曖昧さとリーダーシップ

世の中のほとんどのことは、あいまいで矛盾に満ちている。それを知っている人は、物事を単純化しない。 物事を単純化し、わかりやすい言葉を発することをリーダーシップと誤解してはいけない。リーダーシップとは、複雑な物事の様々な可能性を考え、それらに…

アフガニスタン問題で思うこと

jbpress.ismedia.jp 中東情勢に詳しい元外交官で知人の、山中 俊之さんによる記事。ここしばらくアフガニスタンについての報道を見ながら、何か一面的な伝え方だなと感じつつも、自身の中東に関する知識が不足しているため、何が間違っていて、何が報道され…

叡智の対談「人間の建設」

買ったけど読んでない本があまりに溜まりすぎたので、少しずつ読む努力をしています。この本は、時間が空いた時に読もうとカバンの中に入れていたのに、カバンの中に入れていたことを忘れて、長らく持ち歩いていただけの本でした。先日、カバンを変えた時に…

常夏史観:歴史に学ばないアホ

mainichi.jp 「常夏史観」とは、言い得て妙なり。まずい事実は隠蔽し、不都合がばれたら「ご指摘には当たらない」の一言のみで、何も説明しないし、何も変えないし、誰も責任を取らない。そんな政治をずっとやってきて、コロナ禍もそれで乗り切れると思って…

森山未來のパフォーマンスが運んでくれたもの

www.huffingtonpost.jp 東京オリンピック開会式。一番心に残ったのは、森山未來のパフォーマンスだった。僕は普段、舞踏を見ているわけでもないし、興味があるわけでもない。でも、何かすごく伝わってくるものがあった。 ただ、そう感じながらも、それを言葉…

今朝、いじめられる夢を見た

今朝、いじめられる夢を見た。夢の中の僕は、どうも小学生らしい。顔は見えないが、誰かが僕の足を引っ張っている。僕の足は曲がり、伸びる(夢なので非現実的な部分もある)。「これは間違いなくいじめだ」、と思った。しかし、小学生の僕はいじめられなが…

LBYLとEAFP(どうせ謝るならやりたいことやった方がいい)

プログラミングに、LBYLとEAFPという2つのスタイルがある。 LBYLは、”Look Before You Leap”の略で、何かやる前に、まずエラーにならないか確認して、大丈夫とわかってから、本当にやりたいことをやるという考え方。失敗しないように慎重にやろう、という優…

「説明しない」政府・忖度と懲罰の政治

digital.asahi.com 日本学術会議の問題。「自分には関係ない」と思っている人も多いようだが、けっして「学」の問題だけではない。もし、この問題を有耶無耶にしたら、「説明しない政治」をますます既成事実化することになる。それはこれから、たとえば、社…

開拓者の記録

eirokusuke.nkac.or.jp テレビ黎明期の代表的な番組の貴重な記録。少し前に読んだ、実相寺昭雄さんがウルトラマンやウルトラセブンについて書いた本や、円谷プロダクションの脚本家・金城哲夫さんのドキュメンタリーも、すごく面白かった。 新しい分野を開拓…

愛国者とは

安倍元首相の「反日」発言には、失望と怒りを覚えた。その時、思ったことを記しておく。 愛国者とは、国が存亡の危機にある時に、権力に逆らってでも発言し、行動する人のことだ。たとえそれが、勇み足や後に間違ったことだとわかっとしても、国と人々を思う…

検索、広告、そして、経済活動

検索のことが気になっていた時に、 Facebook でつながりのある、情報セキュリティの分野で精力的な活動をされている方が興味深い記事を紹介してくれた。インターネット上の情報検索をGoogle だけに頼ることの危うさを指摘した記事だ。 僕自身は、全体として…

「変わり者」が変わり者のまま生きていける社会

https://gigazine.net/news/20180617-cave-artists-autistic/ 氷河期の壁画があれほど写実的だったのは書き手が自閉症だったから。今朝、そんな記事を読んだ。「変わり者」のおかげで、3万年前の人間の営みや世の中の風景を垣間見ることができるのだ。 人類…

平井大臣の発言が明らかにしたこと

webronza.asahi.com 今回の平井大臣の発言についての米山隆一氏の意見に完全に同意します。 平井発言は、単に「言い過ぎた」「言葉が悪かった」で済ませられる問題ではありません。 なぜなら、ここしばらくの政権では常に「忖度」や「引き立て」が問題になっ…

「仮説」的学問の意義(「エビデンス」主義へのちょっとした反論)

Facebookである研究成果の記事を投稿したら、ある方からコメントをもらった。その返信に書いたことは、僕がここ数年考えていたことなので、ここにあらためて残すことにした。(発端となった具体的な記事も、その方のコメントもここには書いていないので、初…