モノオモイな日々 Lost in Thought

過去の覚書、現在の思い、未来への手がかり

多くの人が自殺を考えたことのある社会に未来があるのか?

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毎朝、徒歩通勤をしていると、途中でたくさんの高校生とすれ違う。みんな活気がある、とは言わないが、明らかに元気がなく落ち込んでいる、と感じる生徒はほとんどいない。

しかし、その3割か4割は、「本気で死にたいと考えたことがある」のだ。もしかしたら、今、自殺を考えているのかも知れない。

この記事の調査は、そんなことを示唆している。

記事の中の数字をみると、この問題は十代の若者だけではない。若い人ほど割合はたかいものの、どの世代も3割ほどの人が、自殺を考えたことがある、という。とくに女性でその割合は高い。


この調査が正しいとした時、これだけの人が本気で自殺を考えているという事実と、この前の選挙の結果が示す、今の社会のままでいいと思う人が多いという事実を、ぼくは矛盾なく解釈することができない。

ひとつの仮説は、それは信じたくないが、多くの人が考えること・行動することをあきらめてしまった、ということ。今日より明日がよくなる、という希望を失ってしまったということだ。


もしそうなら、政治が扱うべき問題で、これほど根本的で重大な問題が他にあるだろうか。


「多くの人が自殺を考えたことがある」という問題は、他のさまざまな問題、経済格差・貧困、差別、教育システム、暴力・虐待など、と関係している。それらの問題を解決しなければ、多くの人が未来に期待できなくなる。そんな社会に、経済成長も安全保障もない。科学技術も文化も発展しない。


もっと本気で、社会について考えなければ、手遅れになる。