東京オリンピック開会式。一番心に残ったのは、森山未來のパフォーマンスだった。
僕は普段、舞踏を見ているわけでもないし、興味があるわけでもない。でも、何かすごく伝わってくるものがあった。
ただ、そう感じながらも、それを言葉で表現することはできなかった。
さっきこの記事を読んで、少しわかった気がする。
今回のオリンピックに、もっとも誠実に向き合っていたのは、彼の演技だった。
僕はこのオリンピックに、もっと言えば、今の世の中に、そのような誠実さを求めてきたのだ。
はりぼての美しさや偽善はもうたくさんだ。「平和」「多様性」「差別の撲滅」「格差の解消」… そんな「崇高な」言葉も、そこに誠実さがなければ、意味がないどころか、何か別の目的に利用されてしまうかもしれない。
森山未來のパフォーマンスが運んでくれた、誠実さという「種」を受け継ぎ育てるのは、彼の演技に何かを感じた、それぞれの人々の役目なのだ。