モノオモイな日々 Lost in Thought

過去の覚書、現在の思い、未来への手がかり

2021-01-01から1年間の記事一覧

情報は記憶となり、記憶は思考を作る

ある本にこんなことが書いてあった。昔、ある国が、戦争プロパガンダ映画の効果がどれくらいあるのかを調査した。被験者にプロパガンダ映画を見せた後、愛国心がどれくらい強くなっているかを測ったところ、ほとんど変化がなかったそうだ。ほとんどの人は、…

自分の実力を「宣告」される時期

「ローゼンタール効果(ピグマリオン効果)」と呼ばれる心理的行動がある。 1964年春、教育現場での実験として、サンフランシスコの小学校で、ハーバード式突発性学習能力予測テストと名づけた普通の知能テストを行ない、学級担任には、今後数ヶ月の間に成績…

日本国憲法は実験であり、人類の理想である

youtu.be美しい言葉。勇気ある思想。憲法の前文、これほど優しくて力強い文章は他にない。この憲法は日本が世界に誇れるもののひとつだと思う。もちろん僕自身も、誇りに思う。「アメリカに押しつけられた憲法」と批判する人がいる。しかし、もしこれがアメ…

生の議論を公開する場を

先日、政府は、福島原子力発電所の処理水を海洋に放出する、と発表した。原発処理水の問題は、一部の関係者の間ではずっと議論されていた。その中での結論なのだろう。しかし、一般の国民にとっては、突然「海に放出」という決定を伝えられたという感じがす…

公共の場所の命名権は住民のもの

今回もFacebookの投稿から考えたことを書く。その元になったのは次の投稿だ。 良い話をひとつ。 鎌倉市は 3カ所の海岸 〈 由比ガ浜/材木座 /腰越 〉の命名権を売りに出した。 それを鎌倉銘菓 “ 鳩サブレー ” でお馴染みの豊島屋が購入。そして名付けられた…

言葉は思考を支配する

Facebookのあるグループでこんな投稿があった(個人名は伏せている)。 確かに、○○さんの言うように、セクハラよりはセクシャル・ハラスメントさらに言えば「性的嫌がらせ」という日本語を使った方が軽く流されず問題意識が高まるように思いますね。 なるほ…

クレーマーからの脱却

以前、ダグラス・ラシュコフと彼の著書"Life Inc."のことを書いた。彼はこの社会と人々の人生が、いかに「企業」に支配されているかを説き、「脱企業の社会」を訴えた。 ラシュコフが"life Inc."を世に出してから12年が経つ。彼の主張の通り、世の中は変わっ…

「えんとつ町のプペル」と自由通貨

「えんとつ町のプペル」を観た。 クリテイテイブとファンタジーの面では、間違いなく第一級の映画だ。それ故にそれほど話題になってないことに違和感があるわけだが、そのことは置いておくとして、そんな映画作品としての素晴らしさとは別に気になったのが、…

「資本論」は今こそ読むべき本

昨年から「資本論」の解説本をいくつか読んでいます。「資本論」って、仕事という人間の行為を通して、資本主義の中で失われていく人間性を取り戻すにはどうすればいいのかを教えてくれる本だったのだ、とわかりました。読みすすめるほど、腑に落ちることば…

生存者バイアス(今、無いものを見ろ)

上のイラストは、第二次世界対戦中、ナチスドイツの対空射撃を受けた連合国軍の航空機上の弾痕跡を示したものだ。このデータをもとに、軍は最初、弾痕による損傷の多い部位を優先して強化しようとした。ハンガリー生まれのユダヤ人数学者、アブラハム・ウォ…

電柱と看板

昔、学生の頃、建築学科の友人が、日本の街から電柱と看板を無くせば、海外のような風景になるのに、と言っていた。あれから数十年。電柱はかなり減ったけど、看板は相変わらず。その風景は、海外の人にとって「SF」なのだな。

物足りなくなる未来と人間の素朴な美しさ

たとえば、美術館で、まだコンピュータがない時代の手書きのデザイン画を見ると、たとえそれが人間の素晴らしい才能によって創られたものであっても、何か古めかしさを感じてしまう。そこには、当時の道具や、人間そのものの制約があるからだ。 同じように、…

正義や誠実さや真実といったものが、いかに無力なものであるかを突きつけられている

トランプ大統領の支持者たちが、連邦議会議事堂に乱入し、一時、議会が停止するというニュースが、今朝流れた。一人の女性が銃撃され、亡くなったと報じられている。この事件の発端には、先の大統領選挙で不正があったと訴え続けるトランプ大統領がおこなっ…