モノオモイな日々 Lost in Thought

過去の覚書、現在の思い、未来への手がかり

日本国憲法は実験であり、人類の理想である

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美しい言葉。勇気ある思想。

憲法の前文、これほど優しくて力強い文章は他にない。この憲法は日本が世界に誇れるもののひとつだと思う。もちろん僕自身も、誇りに思う。

アメリカに押しつけられた憲法」と批判する人がいる。

しかし、もしこれがアメリカ人の文章なら、アメリカ人は信じられないほど利他的な人たちということになる。なぜなら、アメリカは当時日本を属国にすることもできたのに、この憲法には、日本のことは日本国民が決めるのです、と書かれいるのだから。


僕は、この憲法のすべてをアメリカ人が書いたとは思わないが、この憲法アメリカの意向が入っているのは事実だろう。ただそれは、幸運にも、アメリカの中でも気高い理想を持っていた人たちの意向だと思う。

この憲法は実験だ。「未完成」という意味での実験ではなく、まだ実現していないことの「可能性」を追い求めるという意味での実験。つまり、この憲法は、当時の人類が思い描ける最高の国の形、理想の世界を文章にしたものではないだろうか。敗戦があったからこそ、それまで縛り付けられていた「現実」(しがらみ)から離れて、ここまで大胆に理想を描くことができたのだと。


今、「日本を取り巻く環境の変化」、つまりは、「現実」にあわせて、この憲法を書き換えるべきだ、という意見が強くなってきている。しかし、そう言っている人たちは、この憲法の意義をまったく理解していない。現に、彼らの多くは、この憲法を守っているとは思えない。自分たちが守れない憲法は変えてしまえ、というレベルの低い理由で憲法を変えることには断固として反対する。


人類の理想を憲法という形にしてくれた先人に感謝し、その思いを受け継ぎ、今の形のまま、子供たちに、さらに後世の人たちに伝え残したい。憲法を変える時が来るとすれば、それは、先人よりもさらに高い理想を求めようと、みんなが決意した時なのだ。


(今、5年前の憲法記念日に書いた文章を読み返してみた。考え方は変わってないな、と思った)
monoomoi.hatenablog.jp