上のイラストは、第二次世界対戦中、ナチスドイツの対空射撃を受けた連合国軍の航空機上の弾痕跡を示したものだ。
このデータをもとに、軍は最初、弾痕による損傷の多い部位を優先して強化しようとした。
ハンガリー生まれのユダヤ人数学者、アブラハム・ウォルドは、これに異を唱えた。彼は「これは、帰還できた航空機が受けた損傷跡です」と指摘した。「強化すべきは、弾痕跡の無い部位です。なぜなら、そこに弾を受けた航空機は、戻って来られなかったのですから」。
これは「生存者バイアス(Survivorship bias)」と呼ばれる錯誤である。人は、生き残ったものに注目してしまう。しかし、本当に注目すべきは、生き残ることができなかったものなのだ。
出典:Facebook Post of Michael Rose, University of California