モノオモイな日々 Lost in Thought

過去の覚書、現在の思い、未来への手がかり

そもそも生成AI以前から著作権には問題があるのだ

生成AIの急速な発展で、著作権のことが色々と話題になってますね。法律というのは常に現実の後追いなので(批判ではなくそれが健全だと思います)、これから議論していくのがいいと考えます。

が、ひとつ言いたいのは、現行の著作権とその運用には問題ないのですか?ということ。そもそもAIが入ってくくる前から著作権は形骸化してませんか、ということです。

私の仕事は「コンテンツ制作」ということになりますが、大組織がクライアントの仕事では、その契約時に「著作権は譲渡すること。著作者人格権は行使しないこと」という条項がかなりの確率で入っています。民間だけでなく公的機関からの仕事でもそうです。要するに、著作権は現時点でもすでに末端の作り手を守るものではない、というのが私の実感ですし、現実です。

今、様々な場所で行われているAIと著作権の議論を聴いていると、そういう現実がどれくらいわかってるんだろうか、と思ってしまいます。
AIであろうがなかろうが、創作行為と著作権は本来どうあるべきなのか、を世の中全体として議論してほしいです。私としては、AIの登場で、むしろより健全な方向に進むかもしれない、と期待しています。


もうひとつ大事なことは、様々な創作の発展の背後には、「オープンソース」や「シェア」の文化がある、ということです。あらゆる創作者は、直接、間接に他の創作者に助けられています。「すべて私一人でやりました」と言える人はいないはずだし、どこが私自身のの創作かを明示するのもとても難しい。
そういうことを考えると、「著作権」というものの考え方は根本的に見直す必要があると思います。
現行法律がこうだから、という議論ではなく、どんな法律がすべての人にとって一番いいのかを考えないと、ということです。


(この投稿とは直接関係ないですが、著作権についてこの記事がわかりやすかったので添付しました)

u-tami-1.com