モノオモイな日々 Lost in Thought

過去の覚書、現在の思い、未来への手がかり

円谷プロが教えてくれたこと

togetter.com


少し前、ウルトラQウルトラマンウルトラセブンのブルーレイ・ボックスセットを買った。それくらい、「大の大人」になった今でも、円谷の作品が好きだ。

でもそれは、単なるノスタルジーではない。作品そのものというより、作品を作った人たちに関心があるのだ。その気持は歳を重ねるほど強くなっている。

監督、脚本、撮影、特撮技術…。テレビの発展期とも重なり、あらゆるものが前例のない挑戦だった中、「たかが子ども番組」を作ることに真剣に向き合っていた大人たちに「仕事」という人間にとってとても重要な活動の意義や意味を感じる。

それは、現代の仕事の閉塞感や失望感の裏返しである。当時より今のほうが、はるかに時間とお金にしばられるようになっている。本来の仕事の意義や楽しさは少しずつ奪われてきたため、ほとんどの人は「仕事とはそんなものだ」と思わされている。今、仕事を心から楽しく思い、仕事を通じて自分自身の存在意義を感じられる人が、いったいどれくらいいるだろうか。


今、現実のさまざまな制約の下で、円谷プロのような働き方をするのは難しい。でも、法律も経済も、ひとりひとりの人間が幸せになるためにあるものだ。人間にとってもっと大事なことがあるなら、それをどうすれば実現できるかを考えることが一番大事な仕事ではないだろうか。


どんなことであれ、何かに真剣に仕事に向き合った後は、何ともいい気分になるものだ。それを蝕む「怪獣」と戦う大人でありたい。