モノオモイな日々 Lost in Thought

過去の覚書、現在の思い、未来への手がかり

「GDP2%」に騙されるな

「防衛費、GDP2%では足りない」−−−「まともな軍事国家」になろうと思えば当然こうなりますよね。たとえば、中国の軍事費25兆円、これと同等にしようとするなら、GDP5%は必要です。

前にも書きましたが、GDPの2%は国の税収の2%ではないですからね。GDP2%は500兆円の2%で10兆円。国の税収は増えたとは言え70兆円弱ですから、GDP2%は税収の15%です。防衛費をGDP5%まで上げるなら、税収の1/3以上が防衛費に使われることになります。
そこまでしなければならないほど、今、日本にとって軍国化が喫緊の、最優先の課題ですか?

昔、日露戦争の時は国の税収の半分近くが軍事費にあてられたそうです。おかげで経済はボロボロ、庶民は苦しい生活を強いられました。しかし政府とメディアは一体となって「日露戦争に勝利した」と宣伝し、庶民の苦しい生活への不満は抑え込まれました。
自民党タカ派は、今、それと同じことをやろう、っていうわけです。
ありえません。

そんな定量的な議論を抜きにして「防衛費は増やしたほうが安全」「GDP2%くらいなら」というイメージに惑わされてはいけません。そんなことをすれば、他国から防衛する前に自滅です。

しかも、たとえ防衛費を十分つけたとしても、軍事を担う人々の経験はまったく不足しています。軍事力はお金だけの問題ではありません。
そんな「周回遅れの軍国化」というおろかな幻想は捨てて、平和で建設的な未来を創ることに貴重な税金を使うべきです。