モノオモイな日々 Lost in Thought

過去の覚書、現在の思い、未来への手がかり

小さいことはいいことだ

今、永江朗氏の「小さな出版社のつくり方」を読んでいる。出版不況と言われる中、規模は小さいが個性的なアプローチで新しい「出版」を実現しようとしている小さな出版社を取材したものだ。

この本を読み始めたのは、最近聞いているポッドキャスト「好書好日」に永江氏がゲストで出ていて、この本を題材にしたトークが興味深かったことが直接の理由だ。もともと、小さな企業がそれぞれ違ったやり方で事業を営む社会を理想としている自分なので、「小さな」というところに強くひかれた。それに、「出版社」という業態には、以前から憧れに似た気持ちをもっていた。出版社はお金や設備よりも、働く人のセンスで勝負しているように思えることと、少し大袈裟に言うと、世の中に「知」を広げる仕事をしていると漠然と感じていたからだ。

期待を裏切らない内容だった。この本に登場する小さな出版社を営む多くの人に共通するのは、「自分たちの作りたいものを作りたい」という純粋な思いだ。そのためにあえて「小さい出版社」を選んだのだ。お金のためなら、小さな出版社は選ばないだろう。それよりも書籍を通じて、自分に正直に生きたい、みんなに喜んでもらいたいという思いは、「起業」での最も大事なことだと思う。


小さいことはいいことだ。すぐに意思決定し、すぐに動ける。何でもやらなければいけないが、それだけ多面的に考え手を打てる。組織の中の他の人のことを考えずにすむ。

これらはすべて、世の中を変えるために必要なことだ。逆に言えば、世の中を変えられるのは、小さな企業なのだ。