モノオモイな日々 Lost in Thought

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腐敗は悪のボスキャラ

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世の中に悪いことはたくさんあるけど、その中でも政治の腐敗や不正は悪のボスキャラだと思う。

なぜって、政治における「腐敗」や「不正」は、人間にとってとても大事な、誠実さや努力や思いやりや夢といったものを、奪い去ってしまうからだ。誠実さや努力や思いやりや夢のない世界に住みたい人なんて、(腐敗や不正に手を染めている人たちを除けば)一人もいないだろう。

しかし、腐敗や不正が横行すると、それらに関与しない「普通の」人々は自分を非力だと感じ、自分で自分を諦めさせ、やがて権力に隷従するようになる。あるいは、他人が非合理な差別を受けても見ぬふりをし、ただ自分のまわりの小さな世界だけを見て生きる、つまらない人生を選択させる。どちらになろうとも、腐敗と不正は、それぞれの人がもっている能力を正当に発揮することを邪魔するという意味で、人々を「社会的廃人」にしてしまう。だから、最悪の行為なのだ。


レッシグが「人々の力を取り戻そう」とTEDで訴えたのは7年前。それから世の中の腐敗や不正は減っただろうか。


残念ながら、ノーだ。米国ではさらに格差が広がり、少数の「ファンダー」たちの力はますます強くなった。

日本はというと、今や政府が官僚や政商たちと結託して、あからさまな不正を働いている。それらは罰せられることがないだけでなく、不正に携わった官僚は昇進し、政商と呼ばれる企業はさらに稼ぎを増やしている。政治の腐敗はさらにひどくなっている。



レッシグのいう共和国とは、君主国でも一党独裁国でもない国。議会制民主主義の国であり、市民「だけ」が力を持つ国だ。

共和国であるなら、人々が共和国でありたいと望むのであれば、「0.05%」の支配から、99.95%の人々が公正を得られる国を、一刻も早く取り戻さなければならない。そのためには何も改革はいらない。もちろん憲法改正も不要だ。腐敗や不正をなくすために必要なことは、腐敗や不正を許さない、という当たり前の気持ちを一人ひとりが持つこと。そして、公正な政治が行われるよう、人々がしっかりと意思表示するから始まるのだと思う。