モノオモイな日々 Lost in Thought

過去の覚書、現在の思い、未来への手がかり

雑感 2016年7月

6.30
小池百合子氏が立候補したのは、ちょっと面白い出来事です。
それにしてもこのブロガー議員、しがらみがない感じがして、なかなかいいな。

「自民党」と「都議会自民党(自民党都連)」の関係を、小池百合子氏の出馬表明から考えてみる | 東京都議会議員 おときた駿 公式サイト


7.3
ベンガジレポートが示すのは、インターネットが客観性を犠牲にしているということ。
インターネットのもつ闇の部分。より多くの情報にアクセスできるようになった一方で、より偏った情報しか手にしていない、という矛盾。
Benghazi Report Shows the Internet Is Killing Objectivity | WIRED




7.3
Yahoo! JAPANビッグデータレポート」チームによる参議院選挙予測。
現代は「長いものには巻かれろ」ですか。。。少なくともワクワクするような未来ではないな。

ビッグデータが導き出した第24回参議院選挙の議席数予測 - ビッグデータレポート - ヤフー株式会社


7.3
テレビの討論をみていると、与党は「自衛隊は災害救助に貢献したではないか。それでも要らないというのか?」というが、いったい、こんな詭弁に騙される人がいるのだろうか?

自衛隊の本務が災害救助なら、自衛隊は改名して「災害救助隊」にすればいいのだ。そのほうがもっと災害救助に専念できるし、装備面でも訓練面でもより効率的に救助ができる。災害救助隊を作るなら僕は賛成する。

でも与党の本音は明らかに違うところにある。自衛隊国防軍にしたい、と憲法改正案に書いているじゃないか。それが本音だとみんな知っているのに、なぜ言わないのか?そもそもそこに怪しさを感じる。

自衛隊国防軍化と集団的自衛権を組あわせれば、自衛隊国防軍)は、かなりの時間、海外に出て行く事になる。そうすると、自衛隊が災害救助に貢献する時間は間違いなく減る。つまり、今より災害救助はおろそかになる。戦場での直接の危害だけではなく、災害救助の点でも国民の安全は損なわれる。
いやいや軍事も災害救助も両方やります、というかもしれない。しかし、その前提には自衛隊員と国防費を増やすことがある。軍事費を韓国、中国並みにしようとすればGDPの2%以上、今の倍以上にしなければならない。つまり、自衛隊国防軍化は、経済にも必ず悪影響(武器を輸出する企業以外は)を及ぼす。国民の負担はさらに増える。

それと引き換えに無くなるリスクとはなにか?集団的自衛権や緊急事態条項があれば、国民に平和と安全がもたらされるという根拠はどこにあるのか?その逆のリスクも十分考えられる。

今の自民党は、明らかに昔の自民党と違う。誤解されないように言っておくなら、僕はどちらかというと保守的な考えを持っている。保守だからこそ、今の自民党に反対する。

わかってもらえる人はいると信じます。

「もやもや」を大事に――災害から参議院選挙を考える / 永松伸吾 / 災害経済学 | SYNODOS -シノドス-



7.4
WIRED Vol.17で翻訳した「完全食:ソイレントの夢」が、ウェブで公開されました。

翻訳後、自分でもソイレントを体験したいと思いたち、'Fatty's Dream'と名づけたDIYソイレントを「開発」して、しばらく食べて(飲んで)いました。その時は確かに、体重も減ったし、快調だった気がします。

なにより、自分のレシピを作るのは、味にこだわる料理的要素と、栄養価のバランスを取る実験的要素の組み合わせで、なかなか楽しいのです。

ロッカーの中で眠っている「きな粉」を探して、もう一度ソイレント生活をやろうかな。。。。あの頃より◯kgは確実に重くなってるし。

完全食:ソイレントの夢 « WIRED.jp





7.4
改憲や軍事化には消極的だけど、経済・産業支援や政治の安定性を考えるとやっぱり自民党がいいんじゃね?と思っている人が少なからずいる。

でも僕は、今回の参院選自民党が負けた方が、今後の経済・産業支援や政治の安定性は、より良くなると思う。これはほぼ間違いない。

他国に対して抑止力が必要だと考えるのなら、同じように自国の政権に対する抑止力も必要なはず。その抑止力が、野党の存在意義であり、憲法の意味なのだ。

やっぱり自民党に投票しようと思っているあなたに知ってほしい7つのこと | POST



7.5
「たしかに有効求人倍率は上がったが、就職率はさほど上がっていない」というデータもあるようです。

たとえば政治家があることを主張した時、その主張がデータとして裏付けられているのか、それが嘘ではないにしても一面的な見方ではないのかをチェックし、意見するのが、ジャーナリズムやシンクタンクのひとつの役割だと思います…。このデータはどうなんでしょうか?

そして、もし、政治家がまやかしのデータと詭弁で国民を欺いているなら、政治家という職業上、汚職や倫理の欠如などよりも、はるかに悪いと僕は思う。

「有効求人倍率の改善」に隠れた実態:My Opinion



7.5
昨年11月の記事。政治の思惑より、まずは一般市民のリスクを減らすよう、最低限の情報開示、注意喚起を行う必要があるでしょう。

今、ある国へいくことのリスクがどれくらいあるのか、僕をふくめて多くの人はわかっていないと思います。そのリスクがどれくらい高まっているのかも。

それもまた、政治への無関心から来る弊害かもしれません。

ISIS、「日本人を虐殺する」



ここ数年、日本のマスコミの大好きな話題が「対中国の空自スクランブル発進が増加」ってやつですが、これって、「安倍政権になってから」スクランブル発進がどんどん増えてます、ということですよね。

つまり、今の政権が「抑止力」だと言ってやってきたことが、すべて裏目で、逆にリスクが高まっているという仮説も成り立つわけです。

いえ、そういう僕の仮説が間違っているかもしれないので、一度政権を変えてみて、スクランブル発進回数がどうなるか見てみたいですね。

それと、現在、日中の防空識別圏は重複する領域があることも知っておかねばなりません。つまり、スクランブル発進はかなり恣意的に運用できる部分もあるのですね。

加えて、日本語では数は少ないですが次のような記事もあります。

以上、けっして中国の肩を持つわけではありませんが、重要な判断をするためには、情報の正確性を少しでも担保しなければと思ってのコメントです。将来、後悔しないために。

空自機が「レーダー照射」=「挑発行動」と非難-中国国防省:時事ドットコム



7.6
映画監督・伊丹万作が70年前に書いた文章。これまでにも何度もシェアされてきたものですが、ここ数年の僕の考えの、拠り所のひとつです。

伊丹万作が教えてくれるのは、「私はだまされていた」というのは言い訳にはならない、ということ。「だまされるということ自体がすでに一つの悪である」ということ。

そして、ある一線を超えれば、自分も「だます側」になってしまうかもしれない、ということです。

この文章を読んで同じ過ちを繰り返したら、伊丹万作に申し訳ない。

伊丹万作 戦争責任者の問題



7.6
(たまには理系ネタを笑!)先日FBで教えてもらったこの本、すごく面白かったです。

昔、仕事でアメリカに駐在してしばらく経った頃(2000年頃?)、この本の後半で紹介されている「フュチュラマ」の放送が始まりました。で、このアニメに一目惚れしたんですね。毎回ビデオに取って、英語の勉強を兼ねて見てました。
もっとも、細かい言葉は聞き取れないし、ストーリーやギャグの背景も十分把握できないのですが、なぜか魅力的だったんですね。

今回、その謎が解けました。あのアニメの制作者は数学オタク、というか、数学者と言ってもいいほどの素養があるクリエイター集団だったんですね!
いや、数学はさらにわからないことだらけですが、数学を背景にした脚本が独特の雰囲気を創り出していて、そこに他のアニメとは違う魅力を無意識に感じていたのだろうと思います。

そういう目で、このアニメをもう一度観てみたい!そして、こういう映像を作りたい!…と思わせてくれた本です。
数学者たちの楽園 「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち/サイモン・シン/青木薫 - 紙の本:honto本の通販ストア



「今の政界で一番必要な人材は、政治のプロである必要はないんです。みんなの気持ちを本当にわかって、素直に、ひたむきに政治の世界に取り組んでいこうと。そういう人材が今、必要なんです」(小沢一郎

小沢氏は、マスコミが悪いイメージを作った代表だと思う。
彼には政権を担える経験があるだけでなく、言うことは芯が通っているし、厳しさと柔軟さ、情熱をあわせ持つ。(世間のイメージと違って)弱者へのまなざしがある。

そして、小沢氏が政権に入れば、中国との中は改善するんだけどな。中国で歓待される数少ない日本の政治家でもある。
youtu.be



7.6
首相は「民進党共産党はまったく政策が違うじゃないですか」と連呼していますが、本来の右翼なら「反安倍」「反安保法制」で、左翼と意見が一致するほど、現在の政権は異質です。それ以外の政党はすべて結束しても不思議ではない。

僕は、現在の与党vs野党の構図は、右翼vs左翼ではなく、宗教政治vs民主主義だと考えています。
「右傾化」に違和感 新右翼の鈴木邦男さんに聞く|高知新聞



7.8
今、「ヴァーチャル・リアリティ」のちょっとした記事を翻訳しているのですが、なかなか日本語にするのが難しく、しっくり来ません。なぜだろう?と考えてみると、そもそも「ヴァーチャル」って日本語で何?というところから、曖昧な気がしてきました。
「ヴァーチャル・リアリティ」は、日本語では一般に「仮想現実」と訳されますが、「ヴァーチャル」と「仮想」というのは、ちょっと違うような気がしてくるのです。
「仮想」というと、仮のもの、擬似、偽物というイメージがありますが、英語の「ヴァーチャル」はもっと踏み込んで、現実に取って変わるもの、現実と同等のもの、というニュアンスがあるような。つまり、現実と対比するものではなく、もともと現実を増強するものという意味がある感じがします。
そのようなことを考えると、新しいテクノロジーが出てきた時に、それをどんな言葉で表現するかはとても大事なことに思えてきました。言葉によって、いい・悪い、善・悪の先入観ができてしまって、いったんできたイメージから、なかなか離れられないからです。
そして、政治も同じかも、と思いました。そもそも「安全保障」とか「立憲主義」とか「民主主義」という言葉は、社会に正しく「翻訳」されているのだろうか?って。(おいおい、結局、政治の話かよ?って笑)


7.8
これって、一種のヘイトスピーチじゃないの?根拠薄弱すぎ。
なぜ美術系・芸術系の人ってそっち方面が多いのか | More Access! More Fun!

7.8
たまたまひどい投稿を見たので、書きました。
抽象的・主観的な誘導に騙されてはいけない - モノオモイな日々 Lost in Thought


これは、たかだか県議の伝聞発言なので、割り引いて考えるべきだと思いますが、政権が、(補正)予算をちらつかせて、地方自治体や地方議員を萎縮させていることが伺えます。

実際のところ、与党に反対したら予算がこなくなる、補助金が無くなる、と恐れている地方自治体は多いのかもしれません。

もしそうなら、政権政党への支持・不支持とは関係なく、必要なことに必要なリソースをあててくれる、健全な国政に一刻も早く変えなければいけないのではないですか?

お金を武器に脅しをかける政権に対して、はっきりモノをいうのが、本当に独立した地方自治体です。ただ「お金にぶら下がっている」自治体よりはるかに魅力的だし、市民も誇りに思えるでしょう。

本当にがんばっている自治体は、たとえ一時的に国にいじめられたとしても、それ以上に市民が応援します。

今回の参議院選挙の結果から判断するに、沖縄、鹿児島、福島、岩手には、そんな独立の気概を持った市民が多いのだろうと思います。

【スクープ!】「自公候補が負けたら長野県は補正予算でいい思いはできない」と安倍総理が発言!?自民党長野県議による極めて「悪質」な脅し発言が明らかに! | IWJ Independent Web Journal



●●さんの多くの意見に賛同しますが、とりわけ、「選挙は今やマーケティング競争」になっているという意見に同感です。このことに、もっと多くの人が気づいて欲しいと思います。

舛添問題に火をつけてパナマ文書疑惑や甘利氏の収賄への矛先をかわすことも、なんとなく隣国が危険だ、このままでは侵略されるという印象をあたえることも、人心掌握のスキルに長けた広告代理店がバックについていれば、いとも簡単です。政党や政策を選ばせることが、その辺にある商品やサービスを買わせるのとかわらなくなっています。資本主義の中ではジャーナリズムも営利企業の一つなので、広告代理店の言いなりです。

もちろん騙すことは罪ですが、騙される方もまた罪だと思います。「知らなかった」は言い訳にならないのです。一方で、間違いは、正すことができれば罪ではありません。それが逆になってしまっていることが今の日本だと思います。「変なこと言って叩かれるのは嫌だから黙っていよう」って思う人がいかに多いか。

この状況を変えるには、それぞれの分野の「気づいた人」が勇気を出して知を共有しあうことだと思います。間違っていれば誰かが修正してくれます。それは恥ずかしいことではなく、むしろ賢くなることです。

個々は非力でも、それぞれが知っていること、考えていることを表に出し、共有することで、より確かな意見になっていき、嘘や誘導に勝てるはずです。

集合知は、ネット時代の市民の最大のツールだと思います。



7.9
1年前に書いたブログです。この一年、考えは変わるどころか、ますます確信は強くなりました。

選挙に行く前に考えてほしいんです。目先の経済や雇用は、自民や与党がこれ以上議席を増やしても大して変わりません。もしかしたら社会保障や障害者、女性参画のような分野はは野党が増えた方が良くなるかもしれません。

しかし、自民がこれ以上増えれば、日本の軍事化と政治の独裁化は間違いなく進みます。それは国民の負担とリスクを増やすだけ、と言うのが僕の意見です。
一時の感情に流されず、多様な意見が届き、議論できる政治のバランスを保つのが、大多数を占める普通の市民にとってもっとも賢明な選択ではないでしょうか
僕が安保法制に反対する理由 - モノオモイな日々 Lost in Thought



7.10
もし僕にとってのパワースポットがあるなら、ここ。元気が欲しいときに来る場所。(京都・加茂川にて)
If there is a "power spot" for me, it might be here 'cause I often come here when I need to be energized.




7.11
選挙後の日本の政治を、海外ではどう伝えているか。NYTimes。
国民よりジャーナリストのほうが「鈍感」なのは、日本くらい
http://www.nytimes.com/2016/07/11/world/asia/japan-vote-parliamentary-elections.html?_r=1



7.12
もうこれを訴えるのも疲れてきたけど。。。。

どんなに頭のいい人でも、どんなに良心的な人でも、正しい情報が与えられなければ、正しい(というか、より良い)判断はできない。
その根幹を担うのが、メディア。
よい政治は、よいメディアと表裏一体。(もちろん、その逆の言い方もできる)
デーブ・スペクターが選挙報道について鋭い一言 正論だ!の声が – grape [グレイプ] – 心に響く動画メディア




7.12
今日、勉強になったこと。視界と視野の違い。
そういえば、「視野の狭い人」とはいうが、「視界の狭い人」とは言わない。
視野は自分の意識で広げられる、ということですね。
視界と視野の違いとは〜視界と視野の違いを解説



7.17
昨日の第一回シンギュラリティシンポジウム、当初の予想以上に、たくさんの方々に参加いただきなかなか盛り上がりました。お越しいただいた皆さま、ありがとうございました!

ナレッジシアターで開催できるなんて一生に一度の経験!‥と、思っていたら、某先生は次は1月にやる、とか言ってたような気がします‥笑。
真面目な話、今回開催できたのは、ボランティアで運営を手伝っていただいた、いつもシンギュラリティサロンに来てくれる方々、阪大、京大、会津大の学生のみなさんたちのおかげです。ただただ感謝です。ありがとうございました!



7.18
「警察官による黒人射殺で始まった負の連鎖に『個人的には、これは銃規制の問題というより、私たちの心の問題だ。国民として、人間として、ともに生き、支え合わないといけない。そうせずにこの狂気の沙汰が続くと、私たちは確実に人間として腐敗していく』」

中東、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ。各地から日々届くニュースを見て、まだ「アジア・日本(の問題)は別」と考えているとすれば、それは「狂気の沙汰」の一歩手前まで来ているということかも、と考えてしまいます
また警察官ら3人射殺される アメリカ・ルイジアナ州、終わらぬ負の連鎖(UPDATE)



7.23
ケヴィン・ケリー氏の講演。

未来を知りたければ、あらゆるテクノロジーを、いったんembrace=抱きしめてみること、というのは同感。自分で体験してみないと、良さも悪さもわからない。中には体験できないこともあるけど、本を読んだり、体験した人の話を聞いて、近づくことはできる。

これは、原発からポケモンGOまで同じだと思う。


7.27
<「闘争」がどれほど活発化しようが、最後は「協働」しないと人間は生き延びられないからです
我々全員が「弱者」であり、「弱者」を生かすのがホモ・サピエンス生存戦略だということです>
環境が変われば、誰もが「弱者」になり得る、ということを忘れないようにしたい。
なぜ弱者を抹殺してはいけないのか? Yahoo!知恵袋の回答が秀逸すぎる - ViRATES [バイレーツ]


7.27
10年ほど前、 水野 五郎 (Gorou Mizuno)さんたちと作った「映像の教科書」。今でも公開されている、というのは嬉しいことです。
ところで、この「教科書」、もともとウェブのスペシャルコンテンツとして制作したもので、その報酬はもちろんいただいたのですが、けっこう好評だったこともあって、その後、書籍として出版されました。ところが、書籍の方は、著作権料も報酬も一切もらえないどころか、名前すら出ず…。

ウェブ制作の時点で、著作権を譲渡する契約になっていたらしいです。

映像制作の教科書を書きながら、著作権には疎かった!「教科書」を書く仕事が、自分にとって「教科書」になりました、というオチ(笑)
PIMOPIC GUIDE|映像編集のソフトウェアEDIUS(エディウス)の総合サイト




7.29
社会の根本的な問題に対する指摘だと思います。
東京女子医大医療事故 未然に防げなかった要因は「日本の社会」 | 高橋秀和

他国に対する抑止力が必要なら、自国の政権に対する抑止力もいるだろう

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改憲や軍事化には消極的だけど、経済・産業支援や政治の安定性を考えるとやっぱり自民党がいいんじゃね?と思っている人が少なからずいる。
でも僕は、今回の参院選自民党が負けた方が、今後の経済・産業支援や政治の安定性は、より良くなると思う。これはほぼ間違いない。

(追記:歴史から学ぶとするなら、およそ独裁に近くなった政治は市民にとって良からぬ方向に行く。それを防ぐには、別な視点・思想をもった人たちも政治に参加させるしかない。それが現在の民主主義の基本的な考えだろう。
また、現実的な話をすれば、そもそも一般的な政策をすすめる上で、与党はこれ以上の人数は必要としないはずだ。まだ議席が欲しいのは、議席の3分の2を占めなければできないことをやろう、と考えていることは誰にだってわかる。)

他国に対して抑止力が必要だと考えるのなら、同じように自国の政権に対する抑止力も必要なはず。その抑止力が、野党の存在意義であり、憲法の意味なのだ。


sealdspost.com

「自分の考え」って、本当に自分の考えなのか?

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wired.jp


今、世界中で「2極化」が進んでいるように思います。でも、自分の考えだと思っていることって、本当に「自分の考え」なのだろうか。そもそも「自分の考え」って何なのだろう?

大きな軸を失った社会では、与えられる環境や情報次第で「自分の考え」はどうとでもなると言える。

だから、今、メディアの役割は大きいと思う。

自衛隊が国防軍になれば、災害救助に貢献できなくなる

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synodos.jp

テレビの討論をみていると、与党は「自衛隊は災害救助に貢献したではないか。それでも要らないというのか?」というが、いったい、こんな詭弁に騙される人がいるのだろうか?

自衛隊の本務が災害救助なら、自衛隊は改名して「災害救助隊」にすればいいのだ。そのほうがもっと災害救助に専念できるし、装備面でも訓練面でもより効率的に救助ができる。災害救助隊を作るなら僕は賛成する。

でも与党の本音は明らかに違うところにある。自衛隊国防軍にしたい、と憲法改正案に書いているじゃないか。それが本音だとみんな知っているのに、なぜ言わないのか?そもそもそこに怪しさを感じる。

自衛隊国防軍化と集団的自衛権を組あわせれば、自衛隊国防軍)は、かなりの時間、海外に出て行く事になる。そうすると、自衛隊が災害救助に貢献する時間は間違いなく減る。つまり、今より災害救助はおろそかになる。戦場での直接の危害だけではなく、災害救助の点でも国民の安全は損なわれる。

いやいや軍事も災害救助も両方やります、というかもしれない。しかし、その前提には自衛隊員と国防費を増やすことがある。軍事費を韓国、中国並みにしようとすればGDPの2%以上、今の倍以上にしなければならない。つまり、自衛隊国防軍化は、経済にも必ず悪影響(武器を輸出する企業以外は)を及ぼす。国民の負担はさらに増える。

それと引き換えに無くなるリスクとはなにか?集団的自衛権や緊急事態条項があれば、国民に平和と安全がもたらされるという根拠はどこにあるのか?その逆のリスクも十分考えられる。

今の自民党は、明らかに昔の自民党と違う。誤解されないように言っておくなら、僕はどちらかというと保守的な考えを持っている。保守だからこそ、今の自民党に反対する。

わかってもらえる人はいると信じます。

雑感:2016年6月1日〜6月30日

UNICEFのボランティアとして、ソマリアへ行った医師のTEDトーク。
「現在、世界中に出回っている小型武器のおよそ8割は、国連常任理事国5カ国+ドイツから輸出されている」
「この15年で、世界の小型武器・軽火器の売上は約3倍になり、同時に武力衝突で死亡した人も3倍になった」
「戦争に使われるお金は、年間一人当たり平均249ドル。これは、教育や衛生・健康に使われるお金の12倍」
日本が世界のリーダーとして認められるためには、武器輸出を経済の一部と考える国々の後を追うのではなく、武器を買わされている貧しい国々の側に立って、強欲な国々との対話を促すことではないだろうか。
今ならまだその資格が、日本にはあるのだから!
Samantha Nutt: The real harm of the global arms trade | TED Talk | TED.com



この食べログの裁判をNHKが記事にしたことは、局内良識派のメッセージをサキドリかもしれないと思うのは、フカヨミ?



国民全体のモラルという点では、日本は素晴らしい国だと思います。
でも、一国のリーダーのモラルという点では、どうでしょうか。日本で、オバマのような総理大臣が現れるだろうか、と考えてしまいます。
ハーバード大教授が徹底解説!オバマ広島訪問の本当の理由 サンドラ・サッチャー教授に聞く|ハーバードの知性に学ぶ「日本論」 佐藤智恵|ダイヤモンド・オンライン



マスメディアがこの問題から目を背ければ背けるほど、ますます、これが、政治の核心に触れる問題であることがわかってきます。

この問題は、単にオリンピックの賄賂だけではありません(それだけでも大きな問題ですが)。はるかに一線を越え、政治とメディアの中枢まで支配しつつある「広告代理店政治」の問題だと思います。そして、それを根本から変える大きなチャンスだと思います。

この問題に立ち上がるメディアだけが、メディアといえると思います。(という意味で、MAG2は立派なメディア)http://www.mag2.com/p/news/205868



「裏工作の限りを尽くしてマスコミを支配し、政治を広告化して虚像をつくりあげ、その結果、この国の民主主義を歪めている。そのことをしっかり、自覚すべきであろう。」
五輪とFIFA、「ふたつの裏金」に絡む電通のキーマン - まぐまぐニュース!



ギャラクシー大賞を受賞した、報道ステーションの特集。
改憲に賛成の人も反対の人も、興味のない人も、すべての人が知っておくべき歴史だと思います。
そういえば、「賢者は歴史に学ぶ」と言ったのもまた、ドイツ人(ビスマルク)でしたね。
https://www.facebook.com/gomizeromirai/videos/1192444984128970/



ベーシックインカムについて、もう少し知りたい。
Basic income plan clearly rejected by Swiss voters - SWI swissinfo.ch



現在の問題の核心にせまるインタビューだと、僕は思います。
「広告代理店政治」を一刻も早く終わらせることが、正常な議論ができる世の中を取り戻すために必要なこと。
【IWJ超スクープ!】現役”電通”社員が衝撃の内部告発!「電通は次の都知事に乙武さんを考えていた」「総理もキャストのひとりに過ぎない」



まずは数学!
AIブームだけでは語れない 大人の数学教室がいま熱い :日本経済新聞



【名言】プライバシーの権利とは、隠すものがあるかどうかではなく、保護するものがあるかどうかということだ。
エドワード・スノーデン
https://www.facebook.com/mainichimovie/videos/1692279751021762/



仕事のオーガナイザー的なアプリに気に入ったものがずっとないので、ちょっと期待してます。
Trelloに対抗、Microsoftの新たなプロジェクト管理ツール「Planner」が正式ローンチ | TechCrunch Japan



「まるで第1次世界大戦前夜のような不平等が急速に広がり始め、世界で最も豊かな62人が残り36億人の資産と同じ富を持つという極端な状況が生まれつつある理由のひとつに、こうした地下経済の拡大がある。しかも、その「ツケ」を支払わされているのは、ほかならぬ我々なのだということを、より多くの人たちに知ってほしいと考えました。」
日本の地下経済で失われる税収は17兆円…グローバル企業や富裕層の“税金逃れ”はなぜ本気で摘発されない? - "本"人襲撃 - 連載コラム|週プレNEWS[週刊プレイボーイのニュースサイト]



働き方も実験。いいですね。
社員が増えたので物理的なオフィスをやめました 〜 これからは「分散型ワークプレイス」へ | Social Change!



WIRED最新号の特集は、「いい会社(Good Company)」。
この号にはぜひ関わりたい!……という願いが通じ?、今回も翻訳で参加させてもらいました。
担当したのは、あのAndroid OSの開発者、アンディ・ルービン氏が最近作った新しい会社、「プレイグラウンド」についての記事です。
「プレイグラウンド」は、一言で言えばスタートアップ支援の会社なのですが、単なるファンドやビジネス支援ではなく、内部に強力な技術部隊を持ち、スタートアップを育てながら、ルービン自身もそこで未来のAIプラットフォームの開発を行うという、新しいスタイルのスタートアップ支援組織です。
Androidという技術開発史に残る大成功をおさめた人物が、次世代のクリエイターを育てる。そんな強力な正のスパイラルがある米国は、今後も圧倒的な強さを持ち続けるだろう、と感じました。
雑誌『WIRED』VOL.23 2016年6月10日(金)発売。特集は「いい会社」。|WIRED.jp




これもまた、不都合な真実
http://mainichi.jp/sunday/articles/20160606/org/00m/040/030000d



このメッセージ、僕にとっては、仕事を始めた時の「ワクワク感」を思い出させてくれる文章でした。
レモネードはビジネスの原点、そして、ガレージはイノベーションの原点、なのかも。
来月オフィスを転居するのをきっかけに、いつの間にかたまったことを整理して、延ばし延ばしにしていたことを考えてみよう、と思いました。
レモネード・ガレージ・いい会社──『WIRED』Vol.23 特集『いい会社』に寄せて|WIRED.jp



某知事の「不適切な支出」の追求では「クレヨンしんちゃん」や「たまごサンド」までとりあげて膨大な時間を費やすのに、甘利氏やオリンピックの「賄賂」疑惑はほとんどスルー。
そんな状態を見せられながら、安保や原発TPPといった、社会にとってより重要な問題について正しい報道がされている、と考える人はさすがにいないだろう、と思うのですが…。
安倍政治はこうしてメディアを支配した? テレビ局が政権の「ご機嫌取り」に徹するワケ | 日本一の書評 | 現代ビジネス [講談社]



最近、思い出すのが、この映画。
ぼくたちは今、「トゥルーマン・ショー」の世界に生きているのかもしれない、と思う時がある。
映画の主人公ジム・キャリーのように、そこから抜けだそうと思うかどうかは人それぞれでしょうが、ぼくは、しょぼいセットの中で「小さな幸せ」や「いい人」を演じるだけの使い捨て役者にはなりたくないな…。
トゥルーマン・ショー - Wikipedia



けさ、久しぶりに銀行の窓口に行った。
店に入ると、5、6名の職員の方々が並んで待ち構えていて、それぞれに「いらっしゃいませ!」と連呼していただいた。出る時も、みんなで「ありがとうございました!」と見送っていただく。中には年配の方や責任者っぽい人もいる。
こういうのは慣れてないので、戸惑うなあ。
ぼくは、ペッパー君が一台(一人?)、つつーっとやってきて、「君はたいした預金もないのに、今日はいったい何をしにやってきたんですか?」とか言われた方が落ち着くな笑。

なるほど。もともとは、(手厚い歓待に慣れていないという)自虐ネタのつもりだったのですが、思わず社会問題にまで発展してしまいました笑。
こうして意見をもらうと、今回のことは、セキュリティの問題や労働のAI・ロボット化の問題ともつながる体験だったかも、と思います。




まったく同感です。
「舛添叩き」が衆愚の極みである理由 | ハーバービジネスオンライン

日本のマスメディアでは、少し悪いことをした人は徹底的に叩かれ、少し良いことをした人は実力以上に持ち上げる。
一方で、すごく良いことをしても気づかれず、すごく悪いことをしても見逃される。そんな感じがします。
これは、メディアの見識の低さか、あるいは、故意に情報操作をしているか、どちらかしかないと思います。



舛添叩きは誰を利するのか。
舛添より酷かった石原慎太郎都知事時代の贅沢三昧、登庁も週3日! それでも石原が批判されなかった理由 - BIGLOBEニュース



東京でイノベーションを起こそうと本気で思っているなら、時代遅れの規定を早急に見直すべきでしょう。
ネットメディアは報道ではない? 舛添知事の取材で、東京都議会にハフポストも締め出された | 吉野太一郎



このシリーズ、SONYの「失敗」を現場の人が証言するという、貴重な資料だと思います。
つまるところ、何をしたところで「結果として成功すればヒーロー、失敗すれば悪者」という感じもしますが、少なくとも様々な視点を持つことは、役に立つと思うのです。
「時代遅れという批判の中でAIBOは生まれた」:日経ビジネスオンライン



Kids teach us something sometimes ... I mean, a lot of things always.
We Are Humanity - The Moment You Realize Violence Is Not... | Facebook



1億円かそこらの無駄遣いをやめさすのに50億円。さて、東京都の人たちはいったい誰に対してどう怒るのでしょうか。
マスコミに「選んだ都民にも責任」と書かれて、都民はどう思っているのだろうか? 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160615-00000098-mai-soci
僕が知りたいのは、いったいどれくらいの都民が舛添氏を(選挙費用の出費にもかかわらず)辞任して欲しいと思ったのか、ということと、もし選挙費用を知って怒っているなら、誰に対して怒っているのか、ということです。
(戦後、マッカーサーは「日本は、まだ12歳の少年」と言いましたが、まったく成長していない(サザエさんか!)


たしかに今回の問題は「ポカミス」だったのでしょうが、今後のチャレンジングなプロジェクトで、研究者・技術者が萎縮してしまったり、一般の人々の間に「失敗したら責任取るのが当然」みたいな誤解が生まれないようにしてほしいです。
http://mainichi.jp/auth/guide.php?url=%2Farticles%2F20160615%2Fk00%2F00e%2F040%2F254000c



もうリアルとバーチャルは見分けられなくなってきてるわけで、そのテクノロジーをもとにして発展していくVRやMRは、人間の営みを根底から変えるんじゃないだろうか。
2016 AICP Sponsor Reel - Dir Cut on Vimeo



自分自身の研究の時間を削って、市民に貴重な情報を届けてくれる内田樹さんは、ホンモノの学者だと思う。
ルモンドの記事から (内田樹の研究室)
立場を気にして口を閉ざしたり、自分の感想や願望や憶測の言いっ放すだけの人は「人間」かもしれないが、学者ではないと思う。普通の人には理解し難い・届きにくい事実を、自分の専門を活かして文字通り「翻訳」して伝えるのが、社会に対する学者の行動だと思う。
もちろん、真理を究明する、という学者本来のミッションを前提とした上で。



オリンピックのロゴマーク、新国立競技場、そして舛添氏。
大きな問題から大衆の目をそらしたいという「意図」を持った人たちと、大衆を安々と誘導する「スキル」をもった人たちが、お互いに持ちつ持たれつで、一部だけの「Win-Win」状態を独占しいるのが、今の政治。

本当に怒るべき相手は誰でしょうか?マスコミは教えてくれないから、自分たちで考えるしかない。
『スッキリ!!』で宇野常寛が舛添報道を「イジメエンタテインメント」と正論の批判で、加藤浩次が凍りついた|LITERA/リテラ



ぼくたちは今、2つの点で、民主主義の危機にある。
ひとつは、為政者が憲法を変え、本来為政者の権力を縛るための憲法を、為政者が市民を支配するための憲法に変えようとしていること。これが現政府・与党だ。
もうひとつは、本来決められたルールーーー憲法、法律から条例、社内規定までーーーよりも、人々の感情ーーー一見、正義感に見えるが、実は憎しみや妬みに動かされる感情ーーーによって、他人の行った行動を否定し、その人を排除すること。
「軍学共同」反対、「今が正念場」――日本の科学を軍事に売るな



舛添問題がイジメと同じ構図であることは同意する。ただ、そのイジメを助長、もっといえば誘導しているのがマスコミであることに気づかないといけない。そう、僕たちは日々、巧妙に情報操作されているのだ。市民の怒りを適当に「ガス抜き」しながら、本当の闇の部分には矛先が向かないようにしている。政治に入り込んだ広告代理店は、国民の世論を、まるで「今年の流行」みたいに容易に作ることができる。
https://www.facebook.com/litera.web/?fref=nf&pnref=story『スッキリ!!』で宇野常寛が舛添報道を「イジメエンタテインメント」と正論の批判で、加藤浩次が凍りついた|LITERA/リテラ



軍事にかぎらず、「学問」は政治とは独立であってほしい。俗世間とは離れているから「学問」の意義があると思う。…すべてが同じ方向をむく(向けさせられる)気持ち悪さ。



「中東=石油輸出で成り立っている国々」というステレオタイプなものの見方をしていると、また取り残されるかもしれない。日本が再生可能エネルギーを進めないのは、あきらかに原子力を維持したいからだが、原子力の燃料であるウランも100%輸入。エネルギーの安全保障はなにもできていない。偏った政治で苦しむのは将来の国民。
ドバイ、1000メガワットの太陽光発電所を建設へ 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News



報道ステーションでの党首討論
1-4 http://www.dailymotion.com/video/x4hoyqg
2-4 http://www.dailymotion.com/video/x4houxd
3-4 http://www.dailymotion.com/video/x4how0j
4-4 http://www.dailymotion.com/video/x4hoxmf



イギリスのEU離脱についてのある反応についての

短いブログだが、共感する。

Brexit、トランプ候補改憲と軍国化、今、世界や国家レベルで起ころうとしている事件は、いずれも「賢く洗練された」たとはとても言えない、そういうものとは真逆の判断だと思う。
しかし、だからと言って、それを支援する人たちが、悪人や能力の劣った人間というわけでもない。ある面では、むしろ善良で有能な人たちも多いのかもしれない。

なぜ、今、こういう矛盾した状況に陥っているのか。

そのひとつの理由として、このブログの筆者が言うとおり、「資本主義の思想は、自国を破滅に追いやるほど民主主義との食合せが最悪」ということがあるのだろう。
そして、そのような矛盾に対処するための、「賢く洗練された」判断ができるような教育と機会を、指導者が国民に与えてこなかったためだと思う。
それが指導者による故意の誘導かどうかはわからないが、国レベルの政治が第一にやるべきことは、「賢く洗練された市民」を育てることだ。それは結果として、安全で豊かな国を創る基盤になる。


昨年からさ世の中のまざまな事件や変化をみながら、今、行き着いた思いだ。



本音で言います。皇室を本当に大切に思っている人は、今の政権は許せないはずだ。違いますか?
NHKなどの大手メディア、皇太子さまの憲法発言を報じず!海外では好意的な反応!中国人「皇太子さんは素晴らしい」|情報速報ドットコム



神は人々に、いつもヒントを与えてくれている。そのヒントに気づくための力が知性だと思う。
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「最後におそらく最も重要なことには、私たちが事実に基づかない民主主義(post-factual democracy)時代にいるということ。反知性主義が偏狭な考えに結びつかなかったことがあるなら教えてほしい」
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こんな意見がありますね。中小(零細)企業にいる身としては、感覚的にはこの記事に同意します。が、残念ながら、正確な国全体のデータは一市民には判断しようがありません。

不思議なのは、こういう時に、民間のシンクタンクとか社会系の研究所とかが、政府(首相)の公表が正しいのか正しくないのか、ほとんど何も言ってくれないことです。

いや、ちゃんと調査・分析・公表しているよ、というものがあればぜひ教えてください!
【拡散希望】アベノグラフィックス「3年連続給料2%賃上げ」の真実 - モノシリンの3分でまとめるモノシリ話




「元オリンパスのウッドフォードは、いい会社・いい経営について、こう結論している。
『いいプロダクトをつくって、倫理的に売ることだけを考えればいいのです。ほかのすべては、それに従って自ずとついてきます』」
ウッドフォード氏が信じるように、倫理的に正しい行いをした市民が報われる社会なら、少なくともそうだと信じられる社会なら、自ずと良い社会になっていくなだろう。
その逆に、リーダーが嘘をつき、平然としている社会なら、社会はどんどん悪くなっていく。「正直者は馬鹿を見る」んだって。

「お金のため」にもほどがある──『WIRED』Vol.23特集『いい会社』に寄せて|WIRED.jp




日本の政治がいつまでも「三流」で、いっこうに社会が良くなっていかない理由のひとつに、優れた未来学者が出てこなかったことがあるんじゃないかと思う。未来について、広い視点で大胆かつ説得力ある予測ができる人が、日本にはいなかったのだ。そもそも未来について考える、という文化がない。

優れた未来予測は、人々の共通の目標になる。むこうに山の頂が見えれば、たとえ今、困難なことがあっても、大きな方向は見失わないし、どちらの道を選ぶか迷った時の判断基準になる。一方で、共通の目的地がなければ、人々はそれぞれ目先の利益だけを追求して、気づいたらとんでもない場所にいる、ということもありえる。

「ありえる」というよりも、現実に今、そうなっているのではないだろうか。

未来についての大きなビジョンと、それを支える価値観を共有できる社会があれば、日本は、個々人のレベルでは決して劣らないのだから、米国にこんなに大きな差をつけられることはなかっただろうし、個々人が感じるある種の「息苦しさ」はもっと少なくなると思う。

未来について考えることは、今をどう生きるかを考える上で、必要不可欠だと思う。


アルビン・トフラー氏が死去 「第三の波」で情報化社会を予言

僕たちには、真犯人を見抜く「現場感覚」が求められている

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科学衛星「ひとみ」の事故原因を分析した報告書が公表された。それをもとに松浦晋也氏が書いた記事を、上に引用した。この記事で松浦氏は、「M-V(ミュー・ファイブ)ロケット廃止によって、理工研究者の一体感が喪失した」ことが、今回の事故の根底にある原因だと推察している。しかし、僕は、もしM-V廃止が影響したのだとしても、根本原因となったのは、理工研究者の一体感の喪失よりも、もっと単純に、M-Vという宇宙研生粋のプロジェクトがなくなったことによる、現場感覚の喪失ではないかと考える。(ソフトウェア書き換えの事前シミュレーションを行わなかったのが非常に初歩的なミスであることは松浦氏の言うとおりで、航空宇宙プロジェクトでは通常あり得ないことだと僕も思う)

それは、言い換えれば、実際にものを作り続けることではじめて維持できる、「勘と経験」のようなものだ。そういう「勘と経験」は目に見えないし、ましてや数値にはできるものではないので、トップダウンによる(すなわち、現場を理解しない人による)コスト削減の圧力の下では、まっさきに無視されてしまう。それがなぜ必要なのか、どれくらい貢献しているのかを言葉にすることは難しい。しかし「勘と経験」が、コンピュータや、ルール化・細分化された管理システムの中には組み込むことができないものであり、(少なくとも今のところは)人間にしかできない、一種の「最後の砦」であることは、多くの人が感じていると思う。

世の中で進む効率化、とりわけ、「アウトソーシング」という大きな流れの中で、品質が低下しているのは、なにも宇宙開発だけではない。あらゆる分野のものづくり、医療を含む専門サービスなど、人間の活動すべてにおいて、アウトソーシングは自分の感覚として把握できない「ブラックボックス」を増やしている。それが結果として、個々人の想像力を欠如させ、品質の低下を生んでいるのだと思う。


なお、今回の宇宙研の報告書は、(従来の「お役所仕事」の形式的な報告書と比べれば)非常にスピーディーかつ詳細で、オープンな内容だと感じた。この報告書を見る限り、宇宙研は素晴らしい研究組織だと推測できる。全体的なレベルで見れば、品質が低いとはけっして思わない。それどころか現在の日本の中では、最高峰の研究マインドをもつ組織であり、他の組織の規範となる活動を続けていると僕は思う。


その視点から付け加えたいことは、ここ最近、僕たちは「責める相手」を間違いがちではないか、ということだ。正直に情報を公開し、その結果マスコミで連日取り上げられる組織は、時に再起不能になるくらい徹底的に叩かれる。その一方で、情報を隠蔽し、裏で政治家やマスコミを抑えこんで「うまくやる」組織は平然と不正を続けている。そんな状況こそ、品質低下の最大の要因であり、もしよりよい社会を作りたいなら、絶対に見逃がしてはいけないことのはずだ。そんな組織が続ける不正や怠惰、癒着を見逃していけば、将来、僕たちは大きなしっぺ返しを受けることになるだろう。

僕たち一般市民が意識するべきことは、(マスコミによって)伝えられる情報に惑わされず、与えられた情報をすべてを信じず、逆に隠されている情報に目を向け、少しでも真実を理解する努力をし、自分自身の目で見て自分自身の頭で考えることだと思う。今、おきた問題が、勇気ある挑戦から生まれた未来につながる失敗なのか、それとも、人々を欺く、悪意のある捏造・怠慢なのかを区別する目を持つこと。それが、僕たち一般市民がもつべき「品質」なのだ。

ミステリー小説を読むのも悪くないが、現実社会の問題をじっくり見て、その「裏」にいる真犯人が誰なのかを推理してみることも(不謹慎な言い方かも知れないが)けっこう楽しい。そうやって推理と論理を積み重ねていくことで、市民としての、社会に対する「現場感覚」が身についていくのではないだろうか。

日本国憲法前文の美しさ

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先日、中学校の同窓会があり、ある同窓生と40年ぶりに話をした。彼女は今、某大学で政治学を教えているという。政治学者なんて普段めったに出会うことはないものだから、好奇心から研究の話などをいろいろと聞いた。そして、中学校の社会の授業の話になり、ふと「社会の授業で憲法前文を覚えさせられたよね」という話になった。

そう、中学校の頃の僕たちには「覚えさせられた」というのが本音だ。あまり意味もわからない、ただ古めかしい文章を一生懸命、暗記した。それは漢字や英単語を覚える作業とかわらない。でも、何度も繰り返し口にするうちに、「前文って悪くないよな(上から目線な言葉だが、中学生にとってはかなりの賞賛の表現である)」と思うようになった。


もちろん最初は、長たらしく、堅い言葉が並んだ時代遅れの文章だと思ったのだが、その言葉が繰り返し体に入ってくるうちに、こんなに美しい言葉は他にないかもしれない、と感じるようになった。「美しい」といっても、情緒や官能を感じるたぐいのものでは、もちろんない。そこにあるのは、力強さや潔さから生まれる美しさ、といえる。世の中を変えようという熱意や、今までとはまったく違う新しい世の中に対する期待、そして、そういった理想を実現できるはずだという希望。そんな、前を向いて行動しようとする人間からにじみ出る美しさだ。日本国憲法前文は、僕たちの(先祖の方々の)決意の文章なのだ。

生ぬるい世の中に生きている僕には、とてもこんな文章は書けない、と思った(そして今でも、まったく同じことを思う)。


もう一度前文を読み返してみた。今はもう、中学の時覚えたような感覚を持つことはできないが、この文章が美しいと思う気持ちは変わらない。40年前、日本国憲法前文を「暗記させられて」よかった、と今は心から思える。


だから、この憲法を変えることが許されるのは、終戦直後の人たちに負けない熱意と希望、理想がある人間だけであって欲しいと思う。なにより、この憲法の持つ「美しさ」を理解できる者であってほしい、と。


憲法制定70周年の憲法記念日に、そんなことを思った。


(昨今、与党が公開した、憲法改正草案には、なんら美しさを感じなかった。それはおそらく、書き手の「熱意」や「思想」が、人類が進むべき方向とはまったくずれているからだと思う。そのことだけは付け加えておきたい。)