モノオモイな日々 Lost in Thought

過去の覚書、現在の思い、未来への手がかり

コンサルタントっていう職業、必要ですか?

コンサルタントという職業に疑問がある。今までろくな人に出会ったことがない。例えば、もう10年ほど前、起業を考えていた頃に「起業塾」なるものに参加したことがある。その時、歴史ある某上場企業出身の経営コンサルタントに事業のアイデアや進め方を相談したことがあった。その時に受けたアドバイスは、次の2つだ。

(2つも3つも名刺を持っている人は信用できないと述べた後に)「一度にひとつのことだけに集中しなさい。」
(今までに何枚名刺を配ったか?と聞いたあとに)「とにかく、人に会うこと。」

これくらいなら70歳を越えたうちの親でも言うだろう。わざわざ経営コンサルタントと言う肩書きを持った人に聞きたいことでもない。しかも、僕の仕事を十分理解して言っているとは思えず、自分の「精神論」を述べているだけだと思った。

まず、仕事があり、現在の環境があり、それらを考慮しながら、目的を達成するのに最適(に少しでも近い)方法を考える、と言う順序のはず。リソースを集中した方がよい場合もあれば、リスクを分散したほうがよいことだってあるだろう。より多くの人にPRするのが良い場合もあれば、特定の人に絞って接する方が良い場合だってあるはずだ。どちらがよいかを判断する根拠がなければ、くじ引きと変わらない。


たいした知識や経験もないのに、思いついたことを言うコンサルタントには辟易する。「知らない」というのは、コンサルタントのメンツに関わる。だから何か言うのだろう。これは最悪の状況だ。知識がないなら、「知らない」「わからない」と言うのが誠実な人間だと思う。言わなければ被害はゼロだが、それらしいことを言われるとマイナスだ。

仕事の問題や悩みを一番知っているのは相談者である僕自身だ。まずは話を聞いてくれればいい。適度の相槌と適切なツッコミ、それだけできればとりあえずは満足なのだ。もちろんその先に、自分で気が付かなかった考え方を与えてくれれば最高だ。

それはコンサルタントではなく、コーチングやメンターだと言うかもしれない。「答えは自分の中にある」と言うだけまだましだが、理論はともかく、現実としては、今までの出会った人から判断するに、コンサルタントであろうが、コーチやメンターであろうが、大して変わらないと思う。

コンサルタントが無能だ、と言っているのではない。通常、コンサルタントの方々は学歴も経歴も素晴らしい。人間としての能力は概して高いだろう。ただ、コンサルタントと言う職業への期待と現実を比べた時、コンサルタントは実現不可能な職業だと思う。

つまり、コンサルタントにしてもコーチにしてもメンターにしても、固定的な職業として存在するものじゃない。その人、その時、その場所で、必要な情報やアドバイスは違うのだから、一人で何でも答えられる神のような人がいる、と考えるほうがおかしい。


僕が欲しいのは、判断するための理由や根拠、少なくともそのヒントに成る情報だ。コンサルタントが責任を取ってくれるというなら意見にしたがってもよいが、何の責任もない人が本当に親身になって考えてくれるなんて、まああり得ない(僕が逆の立場なら、きっと同じだろうから)。

コンサルタントの仕事は「意見すること」ではない。相談者のヒントになりそうな情報を与えること。その量を増やし、質を高めることに力を注いで欲しい。


翻って相談する側も甘えてはいけない。最終的には自分で判断するしかないし、自分で責任をとるしか無い。その覚悟でやるのだ。もし、ある時、ある問題について良いアドバイスをしてくれる人に出会えれば、それは偶然の幸運と考えること。また同じように助けてもらえると思うと、失敗する。(ただ、そう覚悟していれば、また良い人に出会えるかもしれない。マーフィーの法則によれば。)

コンサルタントになれるくらい能力があるのなら、何か新しいもの・ことを作り出す仕事をやってほしい、と思う。今、社会が必要としているのはそういう人ではないだろうか。コンサルタントとして、どう思われますか?