モノオモイな日々 Lost in Thought

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【西元町ニュース 2020年4月3日】発酵食品に感染せよ!ある町の食堂の生き残り戦略

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飲食店に大逆風が吹き荒れる中、西元町のカッコいい野菜食堂・堀江座が、持ち帰り専門店に変身した。

店主の 堀江 斉 (Sei Horie) さん(40才くらい?)は「三日間、国内外のさまざまな情報を見て、これしかないと思った」と、突然のリニューアルに踏み切った胸の内を語る。

店舗の入口をまるで「ロックアウト」するように新設された、持ち帰り専用のカウンターは堀江さんの手作り。3日で作ったとは思えない、木製のしっかりした作りだ。提供するメニューは、店舗時代定番だった、野菜と発酵食品をベースにした健康志向の料理が中心。中でも人気の高い「発酵しませんか定食(980万円1000万円(*1))」は、キムチや納豆などの発酵食品と、旬の無農薬野菜が「これでもか!」というほど盛り沢山の、堀江座オリジナル料理だ。「栄養が偏りがちなオフィスワーカーには最高。減量も期待できる」と、近くで零細企業を営む保田充彦さん(50+?)は絶賛する。

より環境志向の来店者は「30年持つステンレス弁当箱」でのお持ち帰りもできる。高級感のある弁当箱は「ゴージャスでエコなお持ち帰り」という新しい外食ジャンルとして、隠れファンも多い。弁当箱は後日、店の前に置いておくだけの完全リサイクル型ビジネスモデルだ。

さらに、今回のリニューアルを記念して、来店者にはもれなく、堀江さんの長女・イトちゃんが作成した「なぞなぞカード」が無料で付いてくる。なぞなぞの答はカードの裏に書いてある、という配慮も嬉しい。

「堀江座持ち帰り店」の挑戦はまだ始まったばかりだが、UberEatsなどとも連携した新しい飲食店の形は徐々に浸透し、「お持ち帰りって意外にいいかも」という声も増え始めている。そんな周囲の反応に、堀江さんも手応えを感じているようだ。

「うちの発酵食品食べて、みんなで良い菌に感染して、新型コロナをやっつけちゃえ!」と、堀江さんの夢も、ますます発酵している。


(*1) ここ堀江座では「万円」が通貨の単位である。日本の円との交換レートは、1日本円=1「堀江座」万円となる。「1000万円」と口にすると、なんともリッチになった気分になれる。


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西元町のカッコいい野菜食堂、堀江座。この度、持ち帰り専門店に「変身」した。

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店舗の入口には、白いテーブルと椅子があらたに置かれた。晴れた日、青空をみながらテイクアウトを食べれば、ちょっとしたリゾート気分を味わえる。

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堀江座店主・堀江セイさん。店の入口を「ロックアウト」する手作りの持ち帰りカウンターに、堀江さんの強い決意が感じられる。

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堀江座ではAIも人力。入り口で「OKホリエザ!」と叫ぶと、中から(堀江)セイさんが出てくる(だけ)。


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堀江座名物の「発酵しませんか定食」。自転車で持ち帰ったので少しぐちゃぐちゃになったが、味は最高。健康にもグッド!

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ひとつひとつの弁当に書かれた手書きメッセージが嬉しい。ただし、最後の「クラスター」は、「いい人のつながりを作って行こう!」という期待と希望だろうか。


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音楽好きの堀江さんの店の棚の中にはさまざまなCDが並ぶ。持ち帰り店になってもBGMに変わりはない。

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堀江さんの長女・イトちゃんが作った「なぞなぞカード」。来店者は無料でもらえるが、正解したら何かもらえるの?と聴いたら、「うーん、考えとく」。

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取材中やってきたUberEatsの配達員。ちょっと派手な、いかしたバッグは海外製だそうだ。カッコいいので思わず写真を撮らせてもらった。


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飲食店に逆風が吹き荒れる中、「お持ち帰り」は浸透するか。堀江座の新たな挑戦に大いに期待したい。