モノオモイな日々 Lost in Thought

過去の覚書、現在の思い、未来への手がかり

自衛隊は「国際救助隊」になれ!

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www.huffingtonpost.jp


軍事ジャーナリストの清谷信一氏の指摘に、僕は同感だ。この記事にかかれている自衛隊の現実ーーーーー自衛隊の「軍事力」不足ーーーーーは、外部から指摘されるまでもなく、現場に近い「制服組」のエリートはよくわかっていると思う。わかっていないのは、あるいは、あえて見ようとしないのは、外交力のない「背広組」と、軍隊をもつことが「国益」だと狂信する与党議員と、幻想でもいいから夢を抱きたい過激な市民の一部が過大評価をしている(誇大妄想を描いている)というのが現実だろう。まるで、「制服」の暴走を「背広」が止めるという本来の抑止構造が、まったく逆転しているように見える。(余談だが、このようなことは、防衛通の石破氏などはよくわかっていると思うのだが、彼もまた何らかの理由で持論を封印しているようだ。)

このような自衛隊の現実を踏まえた上で現在の安保法制を通すということは、イコール、今後、自衛隊にヒト・モノ・カネをかなりの量、投入し続ける決断をするということだ。おそらく、年数千億円なんかのレベルではないだろう。そういうリアルな問題を議論することなく、理想論だけで違憲法案を押し通すのは、あまりに姑息。というか、馬鹿げている。

安保法制賛成派の主張である、自衛隊が世界に貢献する道を探るのだとすれば、僕は自衛隊が「国際救助隊」になることだと訴えたい。不幸なことではあったが、いくつもの災害を経て、自衛隊には救助力のノウハウは蓄積されてきた。自然災害国日本だからこそ世界に貢献できるポテンシャルを自衛隊はもっている。これを世界のためにいかすことが、日本にふさわしい国際貢献だ。日本にとっても、後追いの二流軍事国家になって、膨大な人と金を投入しながら国際社会に認められれないような割の合わない「外交」より、はるかにいい。